
2010年4月23日(金)に弊社つくばプラント内の小森グラフィックテクノロジーセンター(以下、KGC)において、『菊半裁ハイブリッドUVシステム内覧会』を開催いたしました。今回の内覧会では、昨年のJGAS2009で発表いたしました最新乾燥システム「ハイブリッドUVシステム」を「菊半裁4色オフセット枚葉印刷機 リスロンS26(LS-426)」に搭載し、“商業印刷における速乾パウダーレスの実現”ならびに“ハイブリッドUVシステムでのカラーマッチング”をテーマに行いました。同機に搭載したオゾンレスランプは1灯(120W)です。

当日は、4月も終わろうというのに雨が降ったり冷え込んだりと、天候には恵まれませんでしたが、午前の部と午後の部を合わせ、東京都内や近隣県をはじめ遠方は新潟県より50名のお客様にご参加いただきました。
内覧会は下記のプログラムにより行いました。
①技術説明(カンファレンスルーム)
②実機見学(デモンストレーションセンター)
③ハイブリッドUVシステムでのカラーマッチング(DoNet Area)
内覧会の司会進行役は弊社営業課長の藤巻がつとめました。

最初に弊社国内営業本部長の小森より、開会のご挨拶をさせていただきました。 つくばプラント第三期拡張工事が昨年9月に完了し、従来からの中型枚葉機にオフセット輪転機等の生産機能を統合、新生つくばプラントとして10月1日より稼働開始したこと、ハイブリッドUVシステムの主な特徴である5つのポイント『高い印刷品質』、『短納期対応』、『特殊原反対応』、『パウダーレス』、『作業効率改善による生産性向上』についてお話しさせていただきました。また、こちらの乾燥システムを搭載した枚葉オフセット印刷機を昨年10月にご導入いただいた、株式会社アトミ様(東京・小平市)のご紹介をはじめ、同社が同乾燥システム搭載機で印刷された高品質でメタリックなインキを使った特徴ある名刺をご来場いただいたお客様に回覧し、その品質・仕上りをご確認いただきました。

続いて、弊社営業技術部課長の中村よりハイブリッドUVシステムに関する製品・技術説明を行いました。紫外線硬化方式の原理、ハイブリッドUVシステムのメカニズム・特徴・環境面、油性印刷との採算性比較、ハイブリッドUV機ラインナップ等について、映像を交えて詳しくご説明いたしました。

【Hybrid UV方式の主な特徴】
・イニシャルコストを抑えることが出来る(対LED-UV)
⇒LED-UV装置の半分以下に抑えることが出来る
・ランプのライフコストを抑えることが出来る(対LED-UV)
⇒寿命はLED-UVよりも短いが、一回あたりの交換費用が安いため
・消費電力がLED-UV同等で、電源がコンパクト
⇒Hybrid UV 14.8kw(ランプ10.2kw、水冷4.6kw、32”幅)、電源は0.59㎡
・発熱が極めて少ない
⇒印刷紙面付近で、室温±4~5℃
・オゾンが発生しない
⇒オゾンを発生させる254nm付近の波長をカットしている
・厚紙印刷が可能(UV印刷で実績あり)
⇒ランプと紙面の距離を確保できる
説明の中では、既に同システムを搭載した枚葉オフセット印刷機をご導入いただいている2社のインタビュー映像も上映いたしました。1社目は、2009年10月にリスロンS32(LS-432)をご導入いただいた株式会社アトミ様(東京・小平市)で、導入後6ヶ月を経過した稼働状況および評価について、有田社長様をはじめ現場の皆様のお話をいただきました。主なご評価といたしましては、生産効率が2割アップ、用紙/版/インキのロス低減、乾燥スペースの削減等を挙げていらっしゃいます。2社目は、2009年10月にリスロンS29P(LS-829P)をご導入いただいた株式会社研文社様(大阪市北区)で、導入に至った経緯および導入後の評価や課題等について、網野専務様をはじめ現場の皆様にお話しいただきました。主なご評価といたしましては、要求品質の高いクライアント様よりOKをいただく、ドライダウンがなく作業効率アップ、表裏品質差がない等を挙げていらっしゃいます。実際にご導入されたお客様の率直なご意見・ご評価ということもあり、ご来場いただいた皆様が大変興味深くご覧になっていました。

説明の最後に、「“ハイブリッドUVシステム”は、開発以来約半年でめまぐるしいスピードで進歩しております。これは、印刷機メーカーだけでなく、ランプメーカー、インキメーカーとのコラボレーションによる成果です。これまでは、各メーカーがそれぞれの視点により単独で開発を進めていましたが、今後は、昨年10月に弊社つくばプラント内に開設した印刷教育および印刷技術の基礎研究機関であるKGCが核となり、各メーカーとの協力体制によりさまざまな開発を進めていくことで、最終的にはお客様の利益に繋がるよう努めてまいります。」と述べました。
次いで、インキメーカーを代表して、東洋インキ製造株式会社 印刷・情報事業本部RC事業部 課長 田中治夫様より、「省エネルギーUV INKの現状」をテーマに、ハイブリッドUV対応インキの開発状況をメインに、UV印刷の課題と油性印刷の課題、UV INK数量の推移と予測、照射装置の特性、照射装置とインキ開発の係わり、適合インキ、製品ラインナップと位置づけ、LED装置メーカーの動向、今後の課題等について、映像を使いながらわかりやすくご説明いただきました。

約10分の休憩を挟んだ後、実演ならびに印刷サンプル紹介に移りました。進行役はKGCの中島、技術的な説明はKGC副センター長の神、デモの実況中継は中村が行いました。印刷機のオペレーションは、KGCデモセンターの海老原が担当しました。
実演では、「商業印刷における速乾パウダーレス印刷の実現」をメインテーマに次の5つのポイントによる効果をご覧いただきました。
①きれいな印刷の仕上り(品質)
②短納期対応
③特殊原反印刷を可能にする仕事の幅の広がり
④パウダーレスによるオペレーターの負荷軽減
⑤作業効率改善による生産性の向上

実演では2回のJOBを行いました。JOB1では用紙はヴァンヌーボを使用し、ドン天による速乾性能をご覧いただきました。JOB2では用紙はOKトップコートを使用し、ハイブリッドUV印刷と油性印刷とを比較した印刷品質をご覧いただきました。両JOBともに本刷りでは、最高回転速度の16,000sphで印刷いたしました。各JOBのOKシートが刷り上った段階でお客様に印刷サンプルをお配りし、実際にインキの乾燥度合いや印刷品質をご確認いただきました。

【実演の内容】
■JOB1【4色】
①用紙:ヴァンヌーボ
②見当・色合わせした状態からスタート
③OKシート200枚
↓↓↓版換え無し
④JOB1をドン天
⑤表裏見当確認
⑥OKシート200枚
<印刷イメージ>

■JOB2【4色】
①用紙:OKトップコート
②切り替え
1)リムービング、2)版交換、3)ブランケット自動洗浄、4)プレインキング、 5)色合わせ(事前に印刷した油性印刷サンプルとの色合わせ)
③OKシート200枚
<印刷イメージ>

JOB2を行っている間に、会場に展示した印刷サンプルを使い、油性印刷、従来のUV印刷、ハイブリッドUV印刷の比較説明、ハイブリッドUV印刷による擬似エンボス、コーティング加工の効果についてもご説明いたしました。
実演終了後は、お客様に実機および展示印刷サンプルをじっくりご覧いただきました。

続いて、会場をKGC内のDoNet Areaに移動していただき、「カラーマッチング」についてのミニセミナーをKGCカレッジ・テクニカル課長の波多野より行いました。 DoNet Areaの全般的な機能・役割・位置づけをはじめ、小森ハイブリッドUVのカラーマッチング、KGC 30 Matching、KHS-AI、DoNetカラーマネージメント製品、KGCプリンティングカレッジ対応カリキュラム等について映像や印刷サンプルを使ってご説明いたしました。

最後に閉会のご挨拶として、KGCセンター長の杉山よりご参加のお礼ならびにKGCの4つの機能・役割について説明させていただき、内覧会は無事終了いたしました。

ご来場いただきました皆様には、実際にハイブリッドUVシステムを搭載したリスロンS26の実演をご覧いただいたことにより、その特色や優れた性能などをご理解、実感いただける良い機会になったかと存じます。この内覧会が、少しでも皆様の次期設備計画のご参考になればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。